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増加する認知症患者に対する治療法の朗報

昨日(7月20日)NHKスペシャルで「認知症をくい止めろ!」という番組が放送された。

 

この中で、女性の司会者が国内の認知症患者は増加の一方で、特に70歳以上から加速度的に増加する傾向にあると報告していた。
そして、この番組で取り上げた認知症対策で興味深かったのは、ある地域では高齢者で認知症発症率が全国と比べても低いということであった。
その理由を地元の医師が分析して、一つの結論を導き出した。それは高齢者の方が脳梗塞や心筋梗塞を予防するために医師から処方されている薬で「シロスタゾール」という血栓症の専門薬を服用しているために、認知症の発症や、認知症の進行を遅らせる効果があると紹介された。

日本では従来より血管性認知症が最も多いといわれていたが、最近ではアルツハイマー型認知症が増えている。認知症にもいろんなタイプに区分され主なものとしては、血管性認知症に属するもの、また変性認知症に属するものとして ①アルツハイマー型認知症 ②(びまん性)ルビー小体病 ③認知症を伴うパーキンソン病 ④前頭側頭型認知症 ⑤ハンチントン病 などに分類される(Wikipediaより引用)。
参考:「認知症LABO」 URL: http://www.ninchishoucare.com/countermeasure/why/ 

 認知症患者の中でも最も多いアルツハイマー型認知症は、脳内でアミロイドβ蛋白質が蓄積して、脳内の神経細胞が死滅することによって認知症になるといわれている。

この番組で取り上げた、認知症の進行を遅らせる方法として、上記の血栓症に効果がある「シロスタゾール」という薬を服用する方法や、そのほかにアメリカの大学で研究が進み臨床試験で認知症患者に糖尿病治療に使うインシュリンを鼻から吸引して、認知症の症状を改善する試みも行われている。その大学の先生によれば、脳が糖尿病状態にあり、インシュリンを摂取することにより認知症が改善すると説明していた。

それと、もう一つ認知症のかなり進んだ患者さんに対して、フランス生まれの介護法(ユマニチュード)が病院や介護施設で効果を上げているとの事である。認知症が進んで高齢者の暴言・暴力や徘徊など、いわゆる”周辺症状”の対応に病院や介護施設でも対応に悩み、患者の治療目的で患者を拘束するバンドなど使用することによって更に症状を悪化させているケースもみられる。しかし、このユマニチュードを理解して、患者に接することにより周辺症状の重い患者さんにもかなり改善が見られたことである。その方法とは、患者に対して「見つめる」「話しかける」「触れる」「立つ」を基本に、“病人”ではなく、あくまで“人間”として接することで認知症の人との間に信頼関係が生まれ、周辺症状が劇的に改善するという。

特に興味を持ったのは、重い認知症患者さんに対して病院や介護施設で、このユマニチュード療法を適用し、症状が改善した後も自宅で同じように家族でユマニチュード療法による患者への接し方を継続することによって、90歳を超える寝たきりの老人が自宅でリハビリに励み、会話もしっかりとできるように認知症の改善が見られたことである。

最後に、認知症となる原因は普段の日常生活の過ごし方にあると説明をしていた。認知症となる生活習慣として①偏った食生活(脳の老化を防止する食生活) ②運動不足(運動不足による肥満や運動能力の低下) ③アルコール(アルコールを過剰に摂取) ④タバコ(喫煙は、脳梗塞や動脈硬化の発症率を上げる)

認知症予防に国を挙げて取り組み、成果を上げている国としてイギリスを紹介していた。ここでは患者の住む地域の担当医が、患者の治療だけでなく認知症予防にも力を入れたことが高齢者全体の認知症発症率減少に役立ったと説明していた。我が国の場合は、治療は医師・病院で予防の取り組みは自治体と役割が分担され、予防と治療を一体化した取り組みができていない制度上の問題があるとも指摘をされていた。今後急速に高齢者が増加する中で、認知症患者も急増することが予測されている。今の様に認知症が進行してから医療機関で治療を始めるよりも、少しでも認知症患者の発症を少なくする、または認知症発症の進行を遅らせる取り組みを国を挙げて取り組まなければ、医療費の抑制にはつながらず、また認知症を抱える家族の負担も軽くならない。

 

筆者もすでに70歳を超え、今は普通の生活を過ごせていても75歳以上となれば認知症を発症する可能性も高くなるので、他人ごとではいられない。一日も早く、認知症患者や家族にとって治療や介護に効果的とわかったことは、速やかに国の指導で自治体や医療機関に導入を進めてもらいたいと願う。

マメパパ

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