ホーム >> NPOから提供する情報 >> [NPO独自取材] 育爺の体験談 Part5

育爺の体験談 Part5

早いもので、前回Part4を書いてからすでに1年を経過した。 その後、初孫は今年10月に満3歳を迎え、元気にすくすく成長している。また、更に嬉しいことは長女に第二子の元気な男の子が今年3月誕生したことだ。

そこで、この1年間の初孫の長男の成長について触れておきたい。娘はパートで週に数日働いているので、その間は家内が孫の世話で朝から夕方まで娘の自宅に子守に出かける。今までは孫が一人だったので何とか世話ができたが、3月以降は赤ちゃんの世話もしなければならず、毎回自宅に戻ってくると家内はぐったりと疲れて果ててしまう。

娘も孫を二人連れて、2ヶ月に1回程度我が家に顔を見せてくれる。そのたびに孫たちが一段と成長しているのに驚かされる。孫の長男の方は来年3年保育に入るために、近くの幼稚園で入園のための面接があったようだ。娘の話を聞いて思わず噴き出したのは、面接された方がそこの園長先生で、孫が園長先生の質問で、本人の名前とお父さん、お母さんの名前を聞かれたそうだ。本人の事については前もって娘が教えていたのでスラスラと答えられたが、父親や母親の名前が答えられなかったそうだ。後から娘が事前に教えるのを忘れて失敗だった!と嘆いていた。

そしてもし両親が幼稚園に子供を引き取りに来れない場合には、家族写真に写っている人でも子供を引き取れるように事前に、写真を幼稚園に提出をしてある。その中で叔父(娘の兄)の写真と家内(祖母)と私(祖父)の3名の写真が写っていたが、この写真について日頃子育てで孫と接している家内(祖母)や私(祖父)などはおばあちゃん、おじいちゃんと答えられたようだが、叔父さんについては名前が出てこなくて、やっと最後に”あじちゃん”と言えたそうだ。

娘は幼稚園の園長先生から、子どもさんに良く両親の名前は覚えさせておいて下さいねと指導を受けたようだ。それでも、以前から何度かその幼稚園には試験的に預けていて、幼稚園側でも孫の様子がわかっていたこともあり、何とか来年からその幼稚園に通えるようになった。

今月、長男の孫と赤ちゃんが久しぶりに我が家に訪ねてきてくれたが、長男の方は3歳となってかなり言葉もしっかりとしていたし、我が家に来ると早速お気に入りのおもちゃで一人遊びをする。特に電車に幼児期から興味を持っていて、これは新京成、東武線、総武線、北総線などと電車の名前がわかっている。少し驚いたのは3歳児ですでに、ひらがなやカタカナを読むことが出来ることだ。我が家の孫だけが特別でもなく、恐らくこれだけテレビや情報機器が発達していると遊びを通じて、自然に文字や絵本に書いてある動物や、乗り物、食べ物の名前を自然と覚えてしまうのだろう。

近頃では幼児期から英語を学ばそうとする両親が多いそうだ。娘の家庭でも同様に、絵本で英語を学んでいるそうだ。びっくりしたのはペンで絵本をなぞると英語でその書いてある物の名前を英語で発音(ネイティブのように)するので、それを何度も繰り返すうちに少しづつ英単語を覚えるのだろう。例えばリンゴの英語の発音ではアップルだが、アクセントがネイティブに近い「プ」に置いた発音をするのには驚かされた。

第二子出産をした後の赤ちゃんの育児に関しては、残念ながらほとんど育爺の出る幕が無かった。せいぜい赤ちゃんを連れてきたときにおしめを取り換えるぐらいで、沐浴など手伝うことが出来なかった。その代り長男の方の孫をお風呂に入れて、頭や顔を洗ったりとした時に、お湯を頭からかけると嫌がって泣いたりしたものだが、何度か繰り返すうちに慣れたのかその後は余り泣かなくなった。

不思議なもので、第一子が生まれたころは、赤ちゃんの成長に合わせて写真など結構記録を撮っているのだが、第二子になると子どもの世話で忙しいのか、最初の子供に比べてどうしても写真などの記録は少なくなってしまう。第二子が大きくなった頃にどうして僕の小さいころの写真は少ないのと不満を示すのではと少し心配している。

それにしても、毎日の新聞紙面で赤ちゃんや子供に対する親の虐待問題が最近よく報道されるようになった。一般常識としてどうして可愛い我が子を虐待するようなことが出来るのかと思うのだが、新聞でも虐待するのが若い父親や義理の父親などのケースが多い。自己中心的な行動で家族や弱い立場の子供に怒りをぶつけ虐待してしまう。また、若い母親が育児を放棄して幼児に食事も与えず衰弱して子どもが亡くなるなど痛ましいケースもみられる。当然こうした幼児を虐待している家庭については、近所の人や民生委員、保健所、児童相談所、市役所の担当職員などが訪問などによって、虐待の状況をある程度把握はしているだろうが、行政側がその家庭を訪問しても保護者が子どもに合わせないような状況下で、放置しておくことが子供の生命に重大な危機が迫っている兆候として、より強制的な児童保護の行動が求められるのではないか?

アメリカなどでは、こうした幼児や子供への虐待は、行政側で保護者の親権も剥奪する程、厳しい子供を保護する制度運用を行っている。

参考例としてアメリカ合衆国における児童虐待の防止及び対処措置に関する法律より一部抜粋して紹介しておきたい。

◆アメリカ合衆国の児童虐待防止及び対処措置法(1974年) 児童虐待事件の発見・確認、通報および捜査の改善・強化、児童の保護の推進を目的として制定

その中で、児童虐待の防止及び放置全国センター(the National Center on Child Abuse and Neglect: NCCAN)を保健福祉省(Department of Health and Human Service)に設置し、次のような業務を開始すること。

  1. 1.助成プログラムを管理すること。
  2. 2.新たな調査研究および実証実験の事業活動に新たな焦点を向けることが必要な問題および領域を確認する。
  3. 3.情報の収集。プログラムの改善、資料の頒布、州および地方に対する最良の実践例に関する情報提供のための中心として活動すること。

◆1978年児童虐待防止および対処措置並びに養子縁組改革法 その主な改正内容

各州における総合的養子縁組援助法の制定を推進し、養子縁組機会プログラムを設定する。(養子縁組については、児童虐待防止及び対処措置法が1974年に制定された当初は、規定がなかった)

  1. (イ)特別なニーズを有する児童が終身の養子として養親家庭に引き取られることを容認すること。
  2. (ロ)養子縁組措置の質的水準及び養子となる児童の権利の向上を推進すること。
  3. (ハ)全国的な養子縁組情報の交換システムのための整備を行うこと。

◆1984年児童虐待改正法

その主な改正内容

  1. 1.先天的機能障害を有し、生命が危険な状態になる幼児に対する栄養補給、医学的に指示された措置、介護または適切な社会福祉に関する研究のための整備を行う。
  2. 2.これら幼児の養子縁組の円滑化を図る。
  3. 3.医療上の放置(生命に危険のある状態の障害を有する幼児に医学的に指示された措置を行おうとしない場合を含む)についての通報に対応する州の児童保護システムに関わる手続を整備することを州に義務づける。
  4. 4.保険福祉省に対し、この法律を施行するための規則を制定し、介護サービス担当者が必要とする教育訓練及び技術援助を提供することを命じる。
  5. 5.州に対し、生命に危険のある状態の機能障害をもつ幼児のための養子縁組機会を提供する州レベルのプログラムを義務づける。
  6. 6.連邦政府は、連邦の養子縁組および里親制度のデーター収集分析システムを構築し、運営するための関連制度の整備を行う。

◆1988年児童虐待防止、養子縁組および家族福祉法を制定

◆Stewart B. Mckinney ホームレス援助法 1990年改正法

◆1992年児童虐待、家庭内暴力、養子縁組および家族福祉法~「2003年児童及び家族の安全保持法」の制定を経て、その間幾度となく法律の改正も行われ、今日に至っている。

一方、我が国の児童虐待防止法の制定時期について調べてみると、意外と早く1933年(昭和8年)に旧児童虐待防止法が制定され、その後1947年(昭和22年)児童福祉法の制定に伴い、旧児童虐待防止法が廃止されている。2000年(平成12年)には深刻化する児童虐待の予防、および対応方策とするための制定がなされ、2004年(平成16年)事前に盛り込まれていた試行3年後の見直し規定により、社会保障審議会等における検討がなされ改正が行われた。

我が国にも、乳幼児が実親から虐待を受けた場合、特別養子縁組として適切な環境に置かれない乳幼児が、別の家庭で養育を受けることを目的に設けられた。民法第817条の2に準拠している。また普通養子縁組の制度もあるが、戸籍上、養子は実親と養親の2組の親を持つこととなる。特別養子縁組は養親と養子の親子関係を重視するため、養子は戸籍上養親の子となる点が、普通養子縁組と異なる。

◆厚生労働省の児童虐待の現状報告によれば、①児童虐待相談対応件数の増加=H24年度の虐待件数は66,701件 平成11年度の約5.7倍である。

また、相次ぐ児童虐待による死亡事件は、多数の死亡事例が発生した。H23年度では56例=58人が死亡、死亡した子どもは0歳児が4割強である。

その対応遅れの問題は、児童相談所、市町村での相談体制の不足とある。

社会的養護体制の不足で、約4割の自治体で、定員を超えて一時保護を実施、また児童養護施設の入所率の増加もあげられる。H10年度=82.8%→H24年度=85.8%へと入所率が増加している。

この様に、我が国の児童虐待の実態を調べていくうちに気づいた事は、児童虐待の増加に国や自治体の児童保護施設の不足や職員数の不足など、児童虐待防止のための制度充実が現状に追いついていないことである。将来的には国や自治体、および民間企業やボランティアなどの協力によって、こうした身近な児童虐待を防ぐと取り組みを強化して行く必要がある。

日本政府も少子高齢化がますます加速する中で、子どもは我が国の宝物として、きめ細かい児童保護対策を徹底すべきではないかと思う。

投稿:マメパパ

pagetop