NPO独自取材

高齢者も団らんのひと時を過ごす野菜カフェ

団地内の野菜直売所

ミモザの会を運営していた木田さんからお手紙を頂き、1年ほど前から鎌ヶ谷8丁目の鎌ケ谷コーポラス(222世帯)内の空き店舗を借りて野菜カフェを開いているとお知らせいただいた。

この集合住宅も築43年を経過し、住む方たちも高齢化が進み、80歳以上の二人世帯及び独居者を合わせると50世帯程になると言う。 そのため日常生活の買い物にもいろいろと不便をしているとの事。 こうした現象は鎌ケ谷市内の他地域でも同様の事が起きているようです。

野菜直売所の旗 野菜直売所 野菜カフェで集う高齢者の方
団地内の買い物客 団地内の買い物客 野菜を並べた店内

そこで、この野菜カフェを取材させて頂き、開設に至った経過や、現状の運営状況及び今後の課題などについてお伺いした。 木田さんの説明によれば、運転免許の自主返納などで近くのスーパーに買い物に行く時に市のコミュニティバスを利用するが、1時間~1時間30分に一本程度の運行では待ち時間が長いなど、買い物に不便を感じる方が多いとの事。

そこで鎌ケ谷市内で農業を営む石原さんと二人で、どうすれば買い物難民を防ぐことが出来るか話し合ってみたと言う。その結果、長年この団地内にあった八百屋さんが3~4年前に閉店し、空店舗になっていたので、そこを借りて週1回でも野菜の直売所を開こうと決めたそうです。

加えて、野菜の直売所の他に皆さんが集える「憩いの場」を設けて利用できるようにしています。野菜カフェは、正月3が日以外の水曜日の午後1時~4時まで開いている。買い物ついでの方が、店内及び店の外に設置したテーブルとイス席でお話をされている。取材当日も12時30分頃から皆さん集まりはじめ憩いの場を利用されていた。

当初店内と外の仕切りはシャッターのみであった為、石原さんのご友人の協力で引き戸を付けたが、今年1月以降は、新型コロナウイルスの感染拡大により、3密換防止と換気のため戸をオープンにしてテーブルや椅子を配置していました。

野菜カフェで販売する野菜は、石原さんの畑のものだけのため、「今日は○○はないの」という声もあるものの、販売価格は、ほとんどが100円~200円。新鮮な野菜が安く購入できるため、夕方には売り切れる事もあるそうだ。

木田さんにこの野菜カフェの収支状況を伺った所、家賃を始め維持管理費+運営費など、かなり厳しいとの事である。こうした状況から以前市のコミュニティ活動補助金の申請をしたが 団地の一角で空き店舗を活用した活動では、全市的活動への発展性が見られないなどの理由で却下されたとの事。 木田さんのブログにも「特別定額給付金」 が、野菜カフェの運営資金の補填に使うことが出来て助かったと苦しい懐事情が書かれていた。

団地の高齢者の方が集う「憩いの場」

今後の野菜カフェの展望について伺った。1階の店内奥を改修して調理場を作りたいとのこと。先日も殻付きの生落花生を塩ゆでし、来店された方に試食してもらったところ好評だったので、前述のように野菜を売るだけでなく、少し手間をかけて前処理した食材を提供すれば皆さんに喜んで頂けるのではないかと思ったそうだ。

勿論、食品の販売などをおこなうには、設備を整えたうえで保健所の許可を得なければ行えないので、8月に食品衛生責任者の講習会を受けたとの事。 将来的には、現在使用されていない2階の空き部屋にも手を入れて、「憩いの場」が広がれば嬉しいと話していた。7月から、保健師さんが皆さんの話の輪に入り、求めに応じてアドバイスをしながら活動を応援しています。

こうした活動を続けていくためには、やはり多くの方の支援が必要であり、資金面での協力も求められるが、ボランティアとしてご協力を頂ける方は、ぜひ野菜カフェに赴き協力のお申し出をいただければ有難いとのことでした。

レポート:S.K