NPO独自取材
高齢者向けワクチン接種の予約受付体験談
ワクチン接種予約申込画面
我が国における新型コロナウイルスワクチン接種については、2019年12月に中国武漢から発生した新型コロナウイルスが、中国政府の武漢都市部(1000万人)の完全封鎖によって、中国国内他地域への感染拡大は他国に比べて進行が抑えられたが、中国の発生からしばらくしてヨーロッパのイタリア北部で2020年2月にコロナウイルスの感染拡大が起きて、瞬く間にヨーロッパ全域に拡大した。また、米国に於いても元トランプ大統領のコロナウイルス感染を当初過小評価した結果、米国内に感染者が急拡大し2021年5月現在で累計感染者数は33百万人、累計の死者数も60万人と全世界で突出している。
しかし、米国や英国では新型コロナウイルスに対する予防ワクチン開発体制が整っており、2020年12月には英国政府が米ファイザーが独ビオンテックと共同開発した新型コロナワクチンの緊急使用を承認し、1年後にはワクチン接種が急速に進み2021年5月現時点で米国では5月12日までに国民の58%以上が既に1回目のワクチン接種が終わっている。それによって、今まで新型ウイルスや変異ウイルスの感染拡大も抑え込まれ、徐々に感染拡大前の状況に戻りつつある。
翻って、わが国では2020年2月年の横浜港に接岸したクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の乗客に新型コロナウイルス感染者が発見され、乗客のPCR検査と病状が悪化した乗客は国内の宿泊施設(民間より借り上げたホテル)で隔離の上、治療を受けた。 その頃は、まだ国内でも新型コロナウイルス感染者数も少なく、一部の感染者で終わるのではないかとの観測もあったが、結果的には2020年の春節時期に中国から多くの観光客が来日し、結果的にはそれが国内の感染拡大に影響したのではないかと思われている。 その間、我が国へのビジネス客や観光客への空港や港湾での検疫体制の脆弱性から、検疫をすり抜けた感染者が国内に感染を広げた可能性も高い。
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一方、我が国の新型コロナウイルス感染に対するワクチン予防接種体制は、感染が既に世界中で広がり始めたにも係わらずワクチンの国産化は皆無で、もっぱら外国産のワクチン購入に頼る感染予防対策が進められた。その結果、先進諸外国に比べて1年以上ワクチンの予防接種が遅れ、新型コロナウイルス感染拡大に伴う入院患者の急速な拡大に対処できず、2021年に入ってから病院側の受け入れ治療体制が崩壊し、患者の自宅待機中に亡くなる人も増加をしている。2021年5月25日時点での累計感染者数は726千人、重症患者数は1294人、累計死亡者数は12512人に至っている。
ここにきて、政府も事の重大さに気づき、2月から医療従事者等と高齢者へワクチン予防接種が開始され、特に医療関係者を優先的に実施を行い、次に65歳以上の高齢者を中心に新型コロナウイルスに対するワクチン接種が始まった。 ワクチン接種についても国民への接種の公平さを保つため、全国一律のワクチン供給が始まったが、5月時点での緊急事態宣言が発出された北海道、東京都、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県、沖縄県に続き、まん延防止特別措置法に基づく営業時間や酒類提供の制限措置を受けた群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、石川県、岐阜県、三重県、愛媛県、熊本県など国民の活動自粛要請が出された地域でも、5月連休前後の人手に比べて少しは街中に出るひとの数は減少したが、特に最近東京都や大阪府等大都市圏周辺の県などでも感染者数は多少減少傾向を示している。
政府も5月25日から東京都、大阪府に於いて、都道府県のワクチン接種個所以外に大規模集団接種を防衛省の医療職員の動員により、1日当たり2500~5000人程度で始まり、早急に1日当たり10000人~15000人に接種体制を強化したいと発表している。
前置きが少し長くなったが、鎌ケ谷市内でもワクチン予防接種の受付が高齢者向けに4月から始まり予約を受け付けるようになった。 しかし、実際にワクチン予防接種の申込をWEBやLINEと電話受付で行っているが、現状では1回当たり300人~500人程度であり、鎌ケ谷市内の65歳以上の対象者を人口の27%程度としても30千人程度となり、7月末ごろまでに対象者全員がワクチン接種を終えられるか定かではない。
それと、筆者もその高齢者の対象であるが、市のワクチン予防接種の受付に従い、WEBでの申込を体験したが9時の受付開始に対し、実際わずか1分ほどで全ての予防接種を受けられる日程枠は埋まってしまった。むろん電話でも予約申し込みに挑戦してみたが9時受付開始と同時に電話は話中でつながらず、パソコン等利用環境が無い高齢者の方は途方に暮れてしますのではなかろうか?
やはり、市のワクチン予防接種の受付方法の改善が必要ではなかろうか? 現在は、9時から受付開始と同時に先着順になっている為、こうした予約方法に対する知識のない方はなかなか予約が出来ない状況である。
今後も、このような新種のウイルス感染が起きる事は予測できるので、鎌ケ谷市内のワクチン予防接種の受付方法の改善点としては ①高齢者の年齢枠順に受付けをする ②あらかじめ対象となる高齢者の全員に市役所よりワクチン接種日を通知して、当日接種が出来ない方は接種日の変更を申し出る ③鎌ケ谷市内でも集団接種会場を2~3ケ所程度増やし1日1000人~1500人程度接種が出来るようにする ④WEBやLINE及び電話受付についても先着順を止めて、あらかじめ接種券番号を高齢者に通知する際に、曜日と受付時間などを設定し、一度に予約申し込みが集中しないような予約方式に改善するなど工夫が必要ではなかろうか。
ましてや、高齢者向けワクチン予防接種が終わるころには、12歳以上の一般市民向けのワクチン接種が始まるわけで、対象は一気に市民の60%まで拡大する。その時、今と同じような予防接種受付方法を取っていて大丈夫であろうか? 高齢者の様に、接種に対する日程や時間の自由度は低く、予約したくても働く環境によりかなり制限を受けるのではないかと思われる。従って一般市民向けのワクチン受付方法については、早急にスムーズな接種が出来るようにワクチン予防接種の方法を改善する様に要望したい。
ちなみに、筆者は何度かのワクチン予防接種申し込みに失敗したが、ようやくWEBサイトで予防接種の予約をすることが出来た。 蛇足となるが、私の知人の中には高齢者のワクチン接種の申込代行をボランティアで行っている方もおられる。 筆者の第1回目のワクチン接種は6月13日で、接種時に注射で少しチクリとする程度で接種後15分の待機時間後も異常は見られず、1日後も熱や頭痛なども無くて済んだ。第2回目は20日後の7月4日で、接種後の異常もなく1日経過したがさすがに既に報道などで取り上げられた通り1回目より後遺症による左腕上部の注射した辺りの痛みが広がっている。それ以外は特に異常がなさそうだ。
その後、市報6月9日号でも上記で指摘したワクチン申込方法の改善も行われ、高齢者の向けの申し込み方法も先着順から年齢別に①75歳以上 ②65歳以上74歳 ③60歳~64歳の人(60歳未満で基礎疾患のある人を含む)接種券の発送時期目安(6月末ごろ) ④50歳~59歳の人 接種券の発行時期目安(7月12日ごろ)⑤12歳~49歳の人 接種券の発送時期目安(年齢区分(10歳ごと)に応じて2週間程度の期間をおいて発送予定と告知され、市民の方もしばらく待てば必ずワクチン接種が出来るとの安心感が広がってきたのではないか。
最近は接種用ワクチンの供給が充実してきたこともあって、集団接種の「毎日実施」拡充され、75歳以上の人などの予約スケジュールも前倒しされるようになってきた。それ以外にも東京で首都圏を対象とする自衛隊が接種を担当する集団接種会場も整備利用が進み、急ぐ人はそちらにもワクチン接種の申し込みが出来るようになっている。ここ最近では学校や企業で集団接種が出来る様な環境整備も進み6月中旬以降から接種利用が出来るようになり、政府が目標としている1日100万回接種の実現している。
しかし、職場集団接種会場や大学などの集団接種会場が増えたことにより、逆に自治体や職場・大学など集団接種会へのワクチン供給が滞り、本来の自治体集団接種体制に影響するがワクチン接種が一時停止されるリスクも出てきた。7月から始まるオリンピック開催期間中は海外から選手他関係者の多くが入国して、海外からの変異ウイルス持ち込みが懸念されている。変異ウイルス対策として少なくとも2回の接種が早く進み、高齢者以外の40~50代から学生や小学生に至るまで幅広くワクチン接種が進み、早く経済が回復し職場復帰や失業者の雇用が進む事を期待したい。
レポート:S.K