健康だより

口の動き

食べるとき話すときには口をいろいろな方向に動かしますが、どうやって動いているのかご存じでしょうか。

口を使うと唇や頬が動くため顎も上下が動くように思えますが、本当に動いているのは下顎だけです。

上の歯が並んでいる歯槽骨は頭の骨に固定されています。

下顎骨の左右の端は頭の骨にある関節窩というへこみに入っており、そこを支点としてハンモックのようにぶら下がっています。

ハンモックの体をのせる場所に歯が並び、下顎骨の表面から周囲の組織へ張り巡らされている筋肉や腱がこのハンモックをコント口―ルしています。

私たちは上下の歯のかみ合わせで顎が最も安定する位置を探しますが、個人の歯並びや歯の欠損状態に左右されます。リラックスしている時には唇は閉じていますが、上下の前歯は接触せず約2ミリ隙間があります。

一方ヒトのかみしめる力は意外と強く、その力に耐える歯が健全な場合は自分の体重に近い40~60キロの力を発揮します。24時間顎の動きに休みはありません。

加えてストレスでの食いしばりや、クセで絶えず口を動かすこと、頬づえなどは関係する筋肉のバランスを崩して顎関節症になりやすくなります。

(公社)船橋歯科医師会